整形外科女子(セゲジョ)への道

平成24年卒の中林と申します。

私が整形外科医の道へ進もうと決めたのは初期研修医2年目の時でした。
大学卒業時点では、内科系なのか外科系なのかも決めていませんでした。
私が在籍した研修病院では整形外科が必修科で、その時「なんと豪快で明快な科だろう!と思い興味を持ちました。
その興味の赴くまま2年目でも整形外科を選択し、「もうこれしかない」と思い、兵庫医大整形外科に入局致しました。
その後、平成30年に出産し、令和元年より復職。
整形外科女医の妊娠→出産→復職の一例をご紹介したいと思います!

発覚〜妊娠中の働き方

まず、妊娠発覚した時期は2月頃でした。
当時勤務していた病院で看護師さんに「今日二日酔いっぽいんですよね~。それかおとといのカキにあたっちゃったんですかね~。」と話していたら、「妊娠ちゃうの!?昼休み検査薬買って来~い!」と言われ発覚しました。
その看護師さんには感謝とともに恐怖を感じました。。(笑)
でもやっぱり史上最大の感謝です!!

もちろん既に次年度の人事も決まっており、医局や人事変更となった先生方には本当にご迷惑をお掛けし、申し訳ありませんでした。
しかし、直接お叱りを頂いたり、文句を言われたりすることなく、ご対応頂いたことに本当に感謝申し上げます。

私自身はスタッフ数の多い病院に配属して頂きました。
透視を使う手術やミエログラフィなどは入れませんでしたが、隣のクリーンルームで脊椎手術の移植骨を処理させてもらったり、外来のヘルプに行ったりと、何かとお仕事を考えてくださり妊娠中もやりがいを持って勤務することができました。

突然の休職指示と専門医試験

産休間近の時期になり、突然産婦人科主治医より前倒しの休職指示が出ました。
どうしたら良いものかと慌てましたが、その際も部長をはじめ、たくさんのスタッフに支えて頂き、早めの産休を頂きました。医局からも外来代行の先生に来て頂き、本当にありがとうございました。

また、同じ年に専門医試験を控えている学年でした。
産休に入るし、むしろ同期よりも勉強時間が取れるしラッキー!と思っていましたが、今となっては甘い考えだったと反省しています。

臨月のお腹では机に向かう姿勢がかなり苦しかったのと、産後3か月で試験だったのですが、寝ているだけだと思っていた新生児のお世話は思っていたよりも忙しかったです!

それでも実家パワーに助けられ、ぎりっぎりではありますが、試験もなんとかパスできました。

妊娠→出産を経て復職へ

そして、現在。
育児休暇を経て復職し、まだ日が浅い状態で、まだまだ迷走中です。

仕事と家庭を切り離して考えられない場面が多くなってきました。
職場にも家族にも負担を掛けてしまい、落ち込むことも増えました。人生今まであまり悩みもなくお気楽に過ごしてきた私にとっては、とてもとても難解な現在進行形の問題です!

しかし、本当にたくさんの方々に支えて頂き、甘えさせて頂き、なんとか過ごせています。
同じ職場の皆さんをはじめ、支えてくださっている全ての方々に本当に感謝しております!

ご覧のとおり、私自身はまだまだ模索中で、今後整形外科女医をお考えの方々の道しるべには到底なれません!ごめんなさい!!

これから女性医師が増えてきて、働き方の多様性はどんどん広がってくる時代かと思います。
また、似たような働き方をしていても、本当のところでそれぞれの悩みを共感するというのは難しいのかもしれません。

でも、私自身としてはその悩みや喜びを「共有」できる仲間が増えることで頑張っていけそうですし、そこから何かヒントを見つけられればこれからの整形外科女医の未来は明るいものになるのではないかと思っています。

私のような非力な女子が「専門は整形外科です」と言うと、周りの方からは「整形外科って、力いるし、大変じゃない!?」と聞かれます。実際、その通りで力がいる場面はやはり多いです。
しかし力仕事ばかりじゃなくて、女性的な感覚や繊細な作業が必要とされる場面も案外多いですよ。
まだまだ力不足で同僚や先輩にご迷惑をお掛けしておりますが、ムキムキマッスルの先輩ドクターに手伝って頂きながら、今後筋トレに励もうと思っています。

整形外科を選択した理由

女性の医学生・研修医にとって科を選択する際に、やりがいや興味以外に結婚・出産しやすい科ということも重要な要素のひとつになってきます。私は大学卒業時に結婚しました。
その後の結婚生活で「整形外科医だから家の仕事をする時間がない」ということはありませんでした。出産を経験されている先輩方もたくさんいます。
整形外科の仕事は、汗をかきながらするダイナミックな手術だけではなく、座って行う繊細な手術もあります。
外来診療も重要な業務の一つでありますし、出産後も色々な形で整形外科に携わることができます。

兵庫医大整形外科の良いところは、何と言っても楽しく仕事できることです。
興味がある分野を学び楽しく仕事できる職場は、多少忙しくても元気に乗り越えられると思います。
科の選択では色々と悩むことが多いと思いますが、是非一度見学に来てください。
医局の雰囲気を肌で感じて頂き、ホームページには書けないような細かい事までお話しますよ!
まだまだ女性医師の少ない科ではありますが、一緒に楽しく働きましょう。
適宜女子会開催中です!

平成24年卒 中林ゆつき