医局長からのメッセージ
はじめまして、医局長の有住文博(2006年卒)です。私は現在、脊椎脊髄外科を専門としていますが、学生時代には正直、整形外科にはあまり興味はありませんでした。臨床実習での手術見学ではノミやハンマーという言葉が飛び交い、まるで大工の現場を見ているような錯覚に陥り、ここは医療の現場なのか?と衝撃を受けことを覚えています。
その後、医師となり部活の先輩が多く所属するという理由で、初期臨床研修2年目に当院整形外科をローテイトしました。そこで過ごした2ヶ月間は今まで表面だけを見ていた私の整形外科の印象を覆すものでした。患者さんに対する真剣な姿勢、マンツーマンで指導していただいた上級医の先生、笑顔で退院していく患者さんなど経験するすべてが眩しく感じました。自分もその一員として治療に携わりたいと思い入局を決めました。
整形外科は新生児から高齢者までの骨、関節、筋肉、神経、靭帯、腱などの運動器の疾患を対象としています。またスポーツ愛好家からトップアスリートまでスポーツ障害に対する予防や治療にも携わっています。対象とする範囲が広いことが魅力の一つと言えると思います。再生医療、最小侵襲手術、ナビゲーション技術など手術や治療は整形外科の各分野において急速な進歩を遂げています。また超高齢化社会の現在、健康寿命の延伸の重要性はますます高まっており整形外科医にはその役割を期待されています。
兵庫医科大学整形外科は下肢(膝スポーツ、股関節、膝関節)、上肢(肩、肘、手)、腫瘍、脊椎に分かれており各分野にスペシャリストが存在します。いかに患者さんがより良い状態となって生活できるようになるか、真摯にひとりひとりの患者さんに向き合っている職人の集まりです。関連病院は兵庫や大阪を中心に多く存在しそれぞれの施設で外傷をメインとした教育を受けられます。
当医局の特徴は他大学と比べると規模が小さい事が挙げられますが、それはメリットでもあり自分のやりたい研究や手術を自由に探求することができます。プロスポーツ選手のサポートも行っています(ガンバ大阪、近鉄ライナーズ、JR西日本レイラーズ、関西学院大学アメリカンフットボールなど)。当整形外科の医局員は運動部出身者が多く、現在もなんらかのスポーツを続けている先生が多いのも特徴です。楽しくアットホームな医局ですので気軽にいつでも声をかけてください。
当医局は来年2023年に創立50周年を迎えます。これまでの先輩方が築き上げた兵庫医大整形外科医局の新たな1ページを私たちと共に刻んでいきませんか。いつでもお持ちしています!
兵庫医科大学 整形外科学教室
講師 有住文博